サイドFIREリアル記録――第4話 会社員卒業後の課題点 

サイドFIREリアル記録

課題① お金の取り崩し方

資産5,000万円をどう使っていくか、実はこれだけで一つの大きなテーマだ。

「定額取り崩し」「定率取り崩し」か。その選択ひとつで、その後のライフプランが大きく変わってくる。

まず簡単に整理すると、定額とは毎月一定の金額を引き出す方法定率とは残高の一定割合を毎年引き出す方法だ。たとえば5,000万円の資産があるとして、定額なら「毎月17万円」と決めて引き出す。定率なら「毎年残高の4%」と決めるので、資産が増えれば引き出し額も増え、減れば引き出し額も自然と減る。

定率は資産が長持ちしやすいと言われている。相場が下がれば引き出し額も自動的に減るため、元本を守りやすいのが強みだ。老後のために資金を残すという考え方だ。

ただ、私は少し違う。老後のためだけに切り詰めて生きるという選択はしたくない。退職後の時間を、ちゃんと楽しみながら使いたい。だから、毎月の生活が安定しやすい定額取り崩しを選ぼうと思っている。

ただし、定額にも弱点はある。相場が下がった時期でも同じ額を引き出すため、元本を削りやすい。取り崩しの頻度(毎月か、年1回まとめてか)によっても、税金や運用効率に差が出る。

さらに、現金と株式をどう配分するか、ポートフォリオの設計も避けて通れない。退職前に、もう少し深く考える必要がある。

課題② 年金に関して

正直に言うと、年金についてはまだほとんど考えていない。

今後も制度改正はあるだろうし、60歳で受け取るのか70歳まで繰り下げるのか、その時に副業を続けているのか別の収入があるのか。不透明な要素が多すぎて、「その時にならないとわからない」というのが、今の正直な答えだ。

ただ、一つだけ心がけたいことがある。たまに届く年金定期便は、ちゃんと確認しておくこと。今の時点でおよそいくら受け取れるのかを把握しておくだけで、取り崩し計画の精度も上がるはずだ。完璧な答えは出なくても、現状を知ることから始めるしかない。

課題③ インフレと運用利回り

今のシミュレーションは、物価が上がらない前提で組んでいる。しかし年率2%のインフレが続けば、20年後の生活費は今より約50%近く膨らむ計算になる。老後のお金は「いくら貯めるか」だけでなく、「その価値が目減りしないか」も同時に考えなければならない。

また、積立から取り崩しへとフェーズが変わる中で、資産をどの程度の利回りで運用し続けられるかも重要だ。現金比率をどう保つかも含めて、定期的な見直しは欠かせない。

運用方針はできるだけシンプルに保ちたい。S&P500とオルカンを軸にしたインデックス投資と現金。この組み合わせで、現金比率を調整しながらリスク管理をしていく予定だ。複雑にすればするほど、判断が鈍くなる。シンプルであることが、長く続けるための一番の条件だと思っている。

課題④ 時間とお金の使い方

サイドFIREが実現したら、最初の数か月は副業をしながらも、少しゆっくりした時間を過ごしたい。妻との旅行、海外の友人に会いに行くこと、観たかった映画を思う存分に。当たり前のようで、今の生活ではなかなかできないことばかりだ。

ただ、一つ気になっていることがある。お盆や年末の長めの休みを取ると、どうしても生活リズムが崩れてしまう。今は電車通勤で自然と体を動かしているが、サイドFIREで通勤がなくなれば、意識して体を動かす習慣を作らないといけない。自由な時間と、健康管理はセットで考える必要がある。

そして、お金のこと。過度な節約を前提としたサイドFIREは望んでいない。ある程度豊かに、人生を楽しみながら生きていきたい。そのためにも、このブログを含めた新たな収入への挑戦は続けたいし、FIREを目指す人・実現した人のコミュニティにも積極的に参加して、人との繋がりも大切にしていきたい。

課題⑤ 想定外の出費

シミュレーションには含めていないが、まとまった出費についても、きちんと考えておかなければならない。

住宅の修繕や設備交換、車の買い替え、子どもへの支援、そして親の介護。この中で私たちに最も現実味があるのは、親の介護だ。——これらは「いつか来るもの」ではなく、「必ず来るもの」である。健康問題も同じで、大きな病気や手術が重なれば、家計への影響は決して小さくない。

毎月の収支がプラスでも、こうしたスポット的な大型出費に備えた「緊急予備費」を、別枠でしっかり確保しておく。それが、長く安心して生きていくための、最後の砦だと思っている。

おわりに

サイドFIREは、会社を辞めることがゴールではない。

お金の取り崩し方、年金、インフレ、やりたいこと、想定外の出費。こうして課題を並べてみると、「辞めた後」の方が、考えることはずっと多い

ただ、それでも、不安を理由に立ち止まるつもりはない。完璧な準備などできないし、思い切って飛び込んでみるしかない。ま~なんとかなるだろう。

あと3年。残りの会社員生活を、楽しもうと思う