はじめに
FIRE(Financial Independence, Retire Early)――「経済的自立と早期リタイヤ」という言葉を知ったのは、もう6年前のことだ。
両学長のYouTubeチャンネル「リベラルアーツ大学」が提唱する5つの力を鍛えれば、誰でも小金持ちになれる。その言葉を信じて、ひたすら走り続けてきた。
途中で「完全FIREは現実的じゃない」と気づき、50歳までのサイドFIREに目標を切り替えた。これまでに、投資の失敗もあった。詐欺にも遭った。
🌰 失敗談はこちらそれでも諦めずに続けた結果、2026年――野村総合研究所の富裕層ピラミッドで、ついにアッパーマス層に到達することができた。
正直、嬉しさより先に「ほっとした」という感覚が来た。
アッパーマス層に到達。でも頭にあったのは「あの売り」のことだった
到達の喜びより先に、毎日頭をよぎることがある。2025年のトランプショック時に購入した株を、チキン売りしてしまったことだ。
あのまま持ち続けていれば、今年か来年には目標の準富裕層に届いていたかもしれない。2022年の下落相場からずっと待ち続けていたチャンスだった。数年に一度しかない絶好の買い場を、自分の手で手放してしまった。
「いや、アッパーマス層でしょ」と思う人もいるだろう。その通りだ。贅沢な悩みなのは、自分でもよくわかっている。好きな副業に出会えて、妻も応援してくれている。傍から見れば、何が不満なのと言われても仕方がない。
それでも――やってしまったことへの後悔は、そう簡単には消えない。
資産が増えるほど、「会社員でいること」への違和感が強くなった
アッパーマス層に到達してから、逆説的に「このまま会社員を続けていていいのか」という違和感が強くなってきた。
先日、社長からさらなるプロジェクトを任せると言われた。普通ならキャリアアップのチャンスだ。でも、頭に浮かんだのは「めんどくさいな」という一言だった。これが正直な本音だ。
資産が少しずつ増えるにつれて、守りに入るようになった。会社の仕事より、副業やこのブログを優先したいという気持ちが、じわじわと強くなっている。
勤めている会社は仲卸業(製造業)で、近年の円安・インフレ・実質賃金の低迷をもろに受け、売上も利益も減益が続いている。全社員で踏ん張るべき時だということは、頭ではわかっている。でも、なぜか心がついてこない。自分でも、よくわからない。

それに正直に言えば、体力の衰えも感じ始めている。30代から40代前半は、2週間に1度しか休みがなくても平気だった。副業も夢中でこなせたし、英会話も週1で続けられた。今はそうはいかない。心だけじゃなく、体も少しずつ「限界」を教えてくれるようになった。これが今の私のリアルだ。
50歳サイドFIREは、本当に現実的なのか
50歳まで、あと2〜3年。このまま会社員+副業+積み立てを続けても、目標の準富裕層には届かない。中小企業ということもあり、これ以上昇格しても給料はほぼ変わらないと上司から聞いている。新しいプロジェクトを抱えれば、副業のカメラもこのブログも、確実に影響が出る。
それに、数年後には親の介護が始まるかもしれない。その前に、妻とふたりで、ゆっくりとしたサイドFIREの生活を送りたいと思っていた。
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2020年にNISAでインデックス積み立てを始めたとき、正直まったく先のことなど考えていなかった。それが資産の増加とともに複利を実感し始め、50代でのサイドFIREが少しずつ現実として見えてきた。
そのとたん、なぜか腰が重くなった。
焦りなのか。プレッシャーから距離を置きたいのか。自分でもよくわからない。ただ、嫌なことは嫌だと素直に言いたい気持ちが、どんどん強くなっている。
それでも、ここまで来た事実は変わらない
チキン売りの後悔は消えない。会社員への違和感も消えない。暴落がいつ来るかもわからない。
それでも、6年間コツコツと積み上げてきた結果、アッパーマス層という一つの節目にたどり着いたのは事実だ。副業のウェディングカメラマンとして約16年、個人事業主として約18年――走り続けてきた自分を、少しだけ認めてあげてもいいかもしれない。
準富裕層まで、まだ道のりはある。でも、今の生活スタイルを続けていけば、きっと届くと思っている。あとどのくらい走り続けられるかはわからない。それでも、一歩一歩進むしかない。
ふと思う。
50歳で会社を辞める日、どんな気持ちになるんだろう。

