20代で500万貯めたら、人生は安泰

サイドFIREリアル記録

はじめに

「20代で500万貯めたら、人生安泰だよ」

これは、数年前に私が甥っ子にかけた言葉だ。もちろん、500万円あれば一生安泰という意味ではない。ただ、当時の甥っ子には、そんな言葉が必要な気がした。

不器用だけど、誰より素直な甥っ子

私には、可愛い甥っ子がいる。ちょっと不器用なところもあるが、絵の才能があり、とても素直な子だ。

彼は幼い頃から、少し発達に特性があり、家族に対しては何も問題ないのだが、家族以外の人とのコミュニケーションには、時々難しさを感じることがある。

それでも「家族に迷惑をかけたくない」という思いから、歯を食いしばって高校を卒業し、今は地元の自動車工場で働いている、立派な甥っ子だ。

今も、順調なときばかりではない。それでも、彼は彼なりのペースで、自分の足で、社会の中を歩いている。

「NISAを教えてほしい」という、まさかの一言

そんな甥っ子から4~5年前、高校を卒業して働き始めたある日、こう言われた。

「NISAをやってみたいんだけど、教えてくれない?」

正直、驚いた。同時に、めちゃくちゃ嬉しかった。私は喜んで、新NISAの手続きを一緒にやってあげることにした。

新NISAスタートまでの9ステップ

難しいことを教えたわけではない。私がやったのは、口座開設の画面を一緒に覗き込みながら、ひとつずつ「次はこれ」と指をさしていっただけだ。

三井住友カード(NL)を作る

住信SBIネット銀行を開設する

SBI証券の口座を開設する

新NISA口座を申し込む

⑤ 三井住友カードをSBI証券に登録する

オルカンもしくはS&P500、どちらかのインデックスファンドを選ぶ

「NISA・つみたて投資枠」を選ぶ

⑧ 毎月の積立金額を設定する

⑨ あとは、何もしない

もしかしたら、今はもっとお得な方法があるかもしれない。ポイント還元をもっと狙える組み合わせもあるだろう。ただ、あくまで目的は「新NISAをはじめること」。100点を狙わず、80点で十分だと私は思っている。

STEP1 クレジットカードと銀行口座を作る(①②)

まず、三井住友カード(NL)を作る。SBI証券の「クレカ積立」で使うためのカードだ。年会費永年無料の「NL(ナンバーレス)」タイプを選べば間違いない。ネット申し込みで、審査から到着まで、だいたい数日〜1週間

あわせて、住信SBIネット銀行も開設しておく。こちらは申し込みから即日〜数日で使えるようになる。SBI証券との相性が良く、入出金がワンストップでできるので、後々の資金管理がぐっとラクになる

※新NISAを始めるために必須ではないが、「あとで面倒になってやめる」を防ぐ意味でも、最初にセットで作っておくのがおすすめだ。

STEP2 SBI証券でNISA口座を開設する(③④⑤)

次に、SBI証券の「総合口座」を開設する。申し込み時に「NISA口座」も一緒に申し込んでおくのがポイントだ。あとで別々に手続きする必要がなくなる。本人確認書類(マイナンバーカードなど)をスマホで撮影してアップロードするだけなので、想像していたより簡単だった。申し込み自体は、10分もあれば終わる。

ただし、ここは少し待ち時間がある。税務署の審査があるため、開設完了までは数日〜2週間ほど。気長に待とう。

マイページで「NISA口座開設完了」の表示が出たら、いよいよ最後の設定だ。「クレカ積立」設定画面から、STEP1で作った三井住友カードを登録する。これで、毎月自動でカード決済からの積立ができるようになり、ポイントも貯まる仕組みが完成する。

STEP3 積立の中身を決める(⑥⑦⑧)

ここからは、待ち時間なしで一気に進められる。所要時間は、迷わなければ5分程度だ。

まず、ファンド選び。銘柄選びで悩む人は多いが、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(通称オルカン)「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」どちらかのインデックスファンドを選んでおけば大きく間違えることはない。甥っ子はどうしても選べなかったので、結局「半分ずつ」にした。それもまた、ひとつの正解だと思う。

商品を選んだら、「成長投資枠」ではなく「つみたて投資枠」を選択する。

最後に、毎月の積立金額を設定する。無理のない金額でOKだ。甥っ子は月5万円からスタートした。金額よりも「続けられるかどうか」を優先した方がいい。設定が終われば、次の積立日から自動的にスタートする。

STEP4 あとは、何もしない(⑨)

設定さえ終われば、あとは自動で毎月積み立てられていく。値動きを毎日チェックする必要もない。

基本スタンスは、ただひとつ。「なにもしない」だ。

強いて言うなら、コツはひとつだけ。株価が上がったときは、どれくらい増えているか眺めてみるのもいい。ちょっとした励みになる。でも、株価が下がったときは、口座は一切見ない「安く買えてラッキー」くらいに思っておくのがちょうどいい。

そして、少しずつでいいので、「何のための資金なのか」「いくら必要なのか」——そんな将来への人生設計を、ゆっくりと組み立てていくことが大切だ。

「500万円」という数字の裏付け

冒頭でも触れたが、将来に不安を抱えていた甥っ子に、私はこう伝えた。

「20代で500万貯めたら、人生安泰だよ」

少し前、「老後2000万円問題」が世間をにぎわせたことがある。結局のところ、必要な金額は人それぞれだし、経済の動向次第でも変わる。曖昧な答えにしかならない、そんな問題だったと思う。

ただ、一つの目安にはなったはずだ。

だから、30歳までに500万円を貯め、それ以降は積み立てをストップしたとしても——そのまま60歳まで30年間、運用を続けた場合、こうなる。

  • 年利5%で運用:約2,100万円
  • 年利6%で運用:約2,800万円
  • 年利7%で運用:約3,800万円
  • 年利8%で運用:約5,000万円
  • 年利9%で運用:約6,600万円
  • 年利10%で運用:約8,700万円

まさに、複利の力は偉大である

それに、これは個人的な意見だが──一定の資産を自分の力で築いた人は、そのプロセスの中で自然とお金の知識やノウハウが蓄積されていく

甥っ子のための複利シミュレーター

5年後、23歳の甥っ子が見せてくれたもの

それから4〜5年。実家暮らしという利点を活かしながら、彼は愚直に積み立てを続けていた。

働き始めて約5年、23歳になった彼の資産は、なんと300万円以上

本当に、立派としか言いようがない。

ちなみに、私が23歳の頃の貯金は、ほぼゼロだった。

お金がすべてではない。それでも、もし彼にこの先「これをやりたい」と思えることが見つかったとき、この資産はきっと力になるはずだ。

そしてもう一つ、彼に伝えたこと

資産を作ることは大事。でも、本当に欲しいものがあるなら、それは人生を豊かにしてくれるものだから、迷わず買った方がいい。──そう、私は甥っ子に伝えていた。

その後、実家に帰省した際、私は甥っ子の部屋に入って、思わず固まった。

なんと、100万円以上するゲーミングパソコンが、どんと置かれていたのである。

「そこまで高いもの、、、!?」

さすがに、正直、驚いた。でも、それは彼にとって、心から必要なものだった。

発達に特性がありながらも、自分の力で稼ぎ、自分の意思で選んで買った一台。その姿は、私の目にはとても誇らしく映った。

500万円で、人生が安泰になるわけじゃない。

でも、なんでもいい。何かひとつ、目標ができて、それが、これから先の楽しみや喜びに少しでも繋がってくれたら――それだけで、ただただうれしい。