好きなことを副業に Vol.3——給料事情

副業

豊洲での撮影——実力不足を、全力で埋めた9年間

実を言うと、私はカメラも機械も、あまり得意ではない。テレビやビデオの配線は基本的に妻がやっている。(笑)

そんな私が飛び込んだ豊洲の結婚式場は、業界の中でもかなり格式の高い現場だった。

撮影の流れは「チャペル→披露宴→送賓」で拘束時間は比較的短め1件20,000円で、最大1日2件の撮影がある日もある。条件だけ見れば、かなり良いお仕事だった。

ただ、実際の現場では、

押さえカメラのセッティングから音声系統の配線、送信機の調整まで、一連の仕込み作業はもちろん、2カメ撮影時の色合わせや明るさ調整、立ち位置の決め方……。横浜では経験しなかったことばかりだった。

だから私は、撮影前の準備を徹底し、わからないことは必ず事前に確認する。撮影後の反省会では、ひたすらメモを取り続けた。

この時、手を差し伸べてくれたA社のスタッフの方と、C社の社長には、本当に感謝している。カメラの技術はもちろん、格式ある式場でのお客様への接客や立ち居振る舞いまで、給料をもらいながら現場で学ばせてもらった。

この豊洲での9年間は、私の副業カメラマンとしての土台をつくった時間だったと思う。月の休みが2日ほどしかない時期もあった。それでも、楽しかった。心の底から。

エンドロールカメラマンとしてのデビュー

ウェディングカメラマンには、大きく2種類ある。「記録」と「エンドロール」だ。

私はずっと記録カメラマンとして撮影してきたが、あるとき先輩から「これからはエンドロールの需要が高まる。学んでおいた方がいい」とアドバイスをもらい、挑戦することにした。

記録とエンドロールの違いについては、別の記事で詳しく書こうと思っている。ここでは一点だけ。

エンドロールは、その日・その瞬間の「一番いいところ」を切り取らなければならない。さらに、新郎新婦の表情を狙って撮るため、ふたりとのコミュニケーションが必須になる。

エンドロールを始めてから、私の中で何かが変わった。

記録をしていた頃は、「自分が良いと思うものを撮る」という感覚が強かった。でもエンドロールを始めてからは、「このふたりはどんな映像を喜ぶだろう」と考えるようになった。

今思えば当たり前のことだ。でも、実際にできていなかった。

もうすぐ50歳を迎える今、「残りの人生、誰かのために何かをしたい」という気持ちが強くなっている。そのきっかけのひとつは、間違いなくエンドロールの経験だったと思う。

さらなる挑戦——60万円の先行投資

豊洲で働き始めて7年目ごろ、一緒に働いていたカメラマンから「こんな現場もあるよ」と声をかけてもらい、別の式場との掛け持ちを始めた。

新しい現場では、撮り方も結婚式の流れもまったく違う。ポジショニングの見極め、動くタイミング、カメラワーク……横浜・豊洲では積めなかった経験値をさらに重ねることができた。

とかっこいいことを言っているが、正直に言うとギャラが豊洲より良かったことが一番の動機だったけれど。(笑)

ただ、この現場は機材持参が条件だった。最初は少し迷った。でも「先行投資」と腹を決め、カメラ機材に約60〜70万円を投じた。

その2年後、豊洲の式場が閉館した。掛け持ちをしていて本当によかった、と思った瞬間だった。

その後は、結婚式場からホテルまで約15〜20か所でお仕事をさせてもらい、多くのカメラマンと出会った。私と同じように、平日は会社員、土日に撮影、という人も結構いた。私の経験から、土日に撮影できる人にとっては、良い副業だと思う。

ウェディングカメラマンの給料事情

ウェディングカメラマンを目指したいけど、どのくらい稼げるのか気になる方も多いと思う。私の感覚になってしまうが、一つの目安にしてもらえればと思う。

種別経験・機材単価(目安)
記録未経験8,000〜12,000円/件
記録経験あり・機材なし15,000〜20,000円/件
記録経験あり・機材あり20,000〜35,000円/件
エンドロール未経験8,000〜12,000円/件
エンドロール経験あり・機材なし10,000〜20,000円/件
エンドロール経験あり・機材あり12,000〜25,000円/件
エンドロール経験あり・機材あり+当日編集あり25,000〜50,000円/件

エンドロールは撮影範囲によって単価が変わるため、あくまで目安です。(例:チャペルまで、中座まで、披露宴フルなど)

少子化の影響で結婚式の数は減ってきており、記録の需要も落ちてきている。これからウェディングカメラマンを目指すなら、最初からエンドロールに特化するのも一つの選択肢だと思う。

さらに当日編集のスキルまで身につければ、単価は高く維持できる。そしてその編集力は、将来的に副業の幅を広げる武器にもなる。