物語の続きを始める前に
定年退職を迎えた、ごく普通の夫婦がいます。長年働き続け、ようやく手にした退職金。これからの人生を考えたとき、二人が望んだのは、大きくお金を増やすことではありませんでした。
老後のために、ほんの少しだけ安心を増やしたい。
それだけのはずでした。そんなとき、目に留まった「退職金を賢く運用する」という言葉。気づけば二人は、説明会の会場に足を踏み入れていました。
――そこから、物語は始まります。
さて、あなたなら、見抜けますか?
物語に没入せよ
第1部で登場したテクニック一覧
◆ 選択的注意(カラーバス効果)――一度気になった言葉は、その後の情報の中から無意識に拾い上げてしまう
◆ 権威付け効果――「国策」「専門家」という言葉が、内容を検証する前に信頼感を生む
◆ 社会的証明――身近な人の体験談が、どんな広告よりも強い説得力を持つ
◆ 単純接触効果(ザイオンス効果)――同じ情報に繰り返し触れるだけで、内容とは無関係に信頼度が底上げされる
この物語を終えて
退職という人生の節目。老後への漠然とした不安。身近な同僚からの善意のひとこと。そして、ふと目にしたニュース、何度も繰り返し流れてきた広告。
茂と和美は、まだ何も間違ったことをしていません。誰かを信じ、話を聞きに行った。ただ、それだけです。
けれど、その小さな選択の積み重ねが、二人を少しずつ、この場所へと導いていました。会場の照明の中、中沢が二人の前に姿を現します。
次回、第2部「提案編」。そこで示される“数字”を、二人はどう受け止めるのでしょうか。
さて、あなたなら、見抜けますか?
第2部「提案編」へ

