はじめに|「働いて、貯金する」しか知らなかった私
投資を始める前の私は、お金を増やす方法といえば「働いて、給料をもらって、貯金する」。それくらいしか知らなかった。
毎月5万円貯金すれば、1年で60万円。
10年続ければ、600万円。
貯金額 × 時間 = 将来の資産
それが、私の知っているお金の世界のすべてだった。
けれど、“正しい投資”を学び始めてから、私のお金に対する考え方は大きく変わった。
複利、インデックス投資、r>g、FIRE、資産所得――。どれも、それまでの私の人生には一度も出てこなかった言葉だ。
投資を始めて変わったのは、資産の額だけではない。
世の中の見え方そのものが、変わったのだ。
この記事では、その変化をひとつずつ書いていく。
「このまま働いて、貯金するだけでいいのだろうか」
かつての私と同じように、そう感じている人へ。
そして、今の働き方やお金との付き合い方を、少しでも変えたいと思っている人へ。
ぜひ、最後まで読んでほしい。
投資を始めて変わった6つのこと
① ニュースの見方が変わった
以前の私にとって、アメリカの金利や円安、インフレといったニュースは、正直「どこか遠い世界の話」だった。朝のニュースを見ても、頭に残るのは天気予報くらい。
ところが、投資を始めると、
「なぜ株価が下がったのか?」
「なぜ円安になったのか?」
「金利が上がると、何が起きるのか?」
と、自然に考えるようになった。
ニュースが単なる情報ではなくなった。自分のお金や生活とつながった”自分ごと”に変わったのだ。
② 「給料以外の所得」があると知った
それまでは、お金を得るには自分が働くしかないと思っていた。汗をかいた分だけ、お金になる。それが当たり前だった。
しかし、株式を持てば、企業の成長の恩恵を受けられる。配当や値上がり益のように、自分の労働以外から生まれるお金もあるのだ。
私の場合は、投資信託を通じて、世界中の企業の株を少しずつ持っている。私が会社で働いている間も、寝ている間も、その企業たちは休まず動いている。
「自分が働く」だけではなく、「お金にも働いてもらう」。
③ 複利の力を知った
毎月の貯金は、基本的には足し算だ。5万円を入れれば、5万円増える。それ以上でも、それ以下でもない。
しかし投資には、利益がさらに利益を生む「複利」という考え方がある。雪だるまのように、転がせば転がすほど大きくなっていくイメージだ。
もちろん、毎年同じように増えるわけではない。下がる年だってある。それでも、長く続けるほど、複利の力は大きくなっていく。投資を始めるまで、私はそのことを知らなかった。
時間そのものが、資産になる。

④ 「r>g」という考え方を知った
経済学者トマ・ピケティが示した、有名な不等式「r>g」。資本から得られる収益率(r)は、経済全体の成長率(g)を上回りやすい、という考え方だ。
ざっくり言えば、働いて給料を得るだけよりも、株などの資産を持つことで、お金を増やせる可能性が広がるということ。
働いて給料を得る側でいるだけでなく、資産を持つ側にもなることの意味を、真剣に考えるきっかけになった。
⑤ FIREという生き方を知った
投資を始めなければ、FIREという言葉にも出会わなかったかもしれない。FIREとは、資産からの収入で生活費をまかない、早期リタイアを目指す生き方のこと。
「定年まで働くのが当たり前」
ずっとそう思い込んでいた私に、FIREは「人生には、別の選択肢もある」と教えてくれた。
なかでも惹かれたのが、資産からの収入と少しの労働収入を組み合わせる「サイドFIRE」だ。
完全に仕事を辞めなくてもいい。
好きな仕事だけ続けてもいい。
働く時間を減らしてもいい。
投資は、お金を増やすだけの手段ではない。人生の選択肢を増やす手段でもある。そして今、私は50歳でのサイドFIREを目指している。
⑥ 会社だけに依存しなくていいと知った
会社員にとって、給料は大切だ。それは今も変わらない。
しかし、給料だけが収入源だと、どうしても会社への依存度は高くなる。会社の業績、上司の評価、組織の都合――。どれも、自分ではコントロールできないものばかりだ。
投資、副業のカメラマン、そしてこのブログ。収入の柱を少しずつ育てていくうちに、「会社がすべてではない」と、心から思えるようになった。

これは、お金以上に大きな変化だった。
でも、良いことばかりではなかった
① チャートが気になって仕方ない
投資を始めると、株価、為替、金利、仮想通貨――あらゆる数字が気になり始める。
上がれば、うれしい。
下がれば、不安になる。
「長期投資だから、日々の値動きは気にしない」
そう決めたはずなのに、気づけばスマホで価格をチェックしている。知らなければ気にならなかったものまで、気になるようになった。
② 世界情勢を簡単に聞き流せなくなった
戦争、金融危機、選挙、関税、原油価格――。

以前なら、ニュースを見ても「大変だなあ」で終わっていた。それが今は、
「株価への影響は?」
「円はどうなる?」
「自分の資産は大丈夫か?」
と、つい考えてしまう。
世界が見えるようになった反面、世界の不安まで背負い込みやすくなった。知ることは力になるが、ときに重荷にもなる。
③ 周囲との会話がかみ合わないことがある
投資や経済について勉強する時間が増えると、興味の対象も少しずつ変わってくる。
会社の飲み会や世間話よりも、経済や投資、これからの人生について考えているほうが面白くなってきた。とはいえ、飲み会で急に「r>gがさ……」と語り出したら、確実に場が凍る。
もちろん、どちらが正しいという話ではない。ただ、自分の価値観が変わると、以前と同じ場所にいても、少し違う景色に見えることがある。
④ 資産が増えるほど「守る力」も必要になる
資産が増えるのは、うれしいことだ。しかし、良いことばかりではない。
詐欺、盗難、強盗、SNSからの個人情報の特定――。資産が増えるほど、守るべきものも増えていく。
だからこそ、次のことを意識するようになった。
- 資産額をむやみに他人へ話さない
- SNSで個人を特定できる情報を出しすぎない
- パスワード管理や二段階認証など、セキュリティを強化する
「増やす力」だけではなく、「守る力」も必要になる。
⑤ 暴落して初めて、自分の本当のリスク許容度を知る
投資を始める前は、「20%くらい下がっても大丈夫」と、余裕を持って思っていた。
しかし、自分のお金が実際に100万円、200万円と減っていくのを目の当たりにするのは、まったく別の話だった。
頭で理解していることと、心が耐えられることは違う。
投資をすると、自分の欲や恐怖とも、正面から向き合うことになる。これも、投資を始めるまで分からなかったことだ。
まとめ|投資を始めて増えたのは、資産よりも「選べる未来」だった
投資を始めて得た一番大きなものは、利益ではないのかもしれない。
ニュースが、自分ごとになった。
お金にも働いてもらえると知った。
複利を知った。
FIREという生き方を知った。
「会社がすべてではない」と思えるようになった。
そして何より、「自分はこれから、どんな人生を送りたいのか」を考えるようになった。
もちろん、お金が減ることもあるし、知らなければ感じなかった不安も増えた。それでも私は、投資を始めてよかったと思っている。
投資によって増えたのは、資産だけではない。
自分が選べる未来そのものが、少しずつ増えていった。
「このまま働いて、貯金するだけでいいのだろうか」
もし今そう感じているなら、その問いが、最初の一歩になるかもしれない。
