妻を投資に巻き込んだ話【同意を得るまでの過程と、夫婦で資産形成する意味】

投資戦略

はじめに

投資において、「パートナーの同意」は本当に大事だと思っている。

以前、私は妻を詐欺に巻き込んでしまった。それだけではない。妻の貯金を黙ってFXの証拠金にあてたこともある。今思い返すだけで、胃が痛い。

そんな前科持ちの夫にもかかわらず、妻はいま、投資においてとても前向きに応援してくれている。私たち夫婦は、おそらく少数派だと思う。40代後半〜50代の夫婦を見ていると、家計を管理しているのは妻、という家庭が圧倒的に多い。「投資したい」と言い出す夫を、妻がブレーキを踏んで止める、あるいはその逆——どちらかが反対するという構図は、決して珍しくない。

妻がここまで寛容でいてくれる理由は、ひとつある。あまり詳しくは書かないが、妻の家庭はお金で苦労した経験があり、若い頃から不労所得への関心が強かった。その下地があったからこそ、私を見捨てずにいてくれたのだと思う。

私たち夫婦のお金の関係

結婚して約15年。

妻も働いてくれているおかげで、結婚当初からずっとお財布は別々だ。生活費はお互いに出し合い、残りはそれぞれが管理する。子どもがいないこともあり、この形が私たちには合っていた。おそらく一般的ではないと思うが、これが私たちのスタイルだ。

詐欺にあい、短期投資やアクティブ投資でお金を失い続け、やがて両学長に出会い、旧NISAをスタートしたころから、私が二人分の資産をまとめて管理するようになった。もちろん、妻の同意を得た上での話だ。多くの家庭では、この「同意を得る」というステップ自体が、最初の大きな壁になる。それが正直なところだと思う。

なぜ妻は同意してくれたのか

年利24%の詐欺にあったとき。よくわからないアクティブファンドに突っ込んで損をしたとき。妻は何も言わなかった。ただ黙って、私と同じ方向を向いてくれていた。お金を失ったときには、「無くなるものだと思ってやってましたよ(笑)」と、冗談めかして励ましてくれた。

正直、悔しかった。なぜ何をしてもお金を失うのだろうと。その感覚は、投資で失敗したことのある人なら、きっとわかってもらえると思う。
そこから、リベラルアーツ大学をはじめ、多くの優良なYouTubeチャンネルを繰り返し見た。少しずつ、インデックス投資やNISA、iDeCoについて勉強するようになった。

ある日、妻に聞いてみた。あれだけ間違いを繰り返したのに、なぜ一緒に投資を続けてくれるのかと。
答えは、一言だった。「えっ、会社員も副業も投資も、全部頑張ってたからだよ」と。
この言葉が、今でも忘れられない。結果ではなく、姿勢を見ていてくれた。

投資を始める前に、一度立ち止まってほしい

実際、多くの家庭では「投資=ギャンブル」「老後の大切な貯金を危険にさらすな」という反応が先に来る。特に40代後半〜50代の世代は、『株は損をするもの』という教育を受けて育ち、30年に及ぶデフレの中で『貯金さえしていれば安心』という感覚が当たり前だった。投資という言葉そのものに、拒否反応を示す人が少なくないのは、ある意味、当然のことだと思う。

ただ、それでも私は思う。説得しようとするのではなく、まず自分が学んで、相手が納得できる言葉で、熱を持って繰り返し話す。それだけで、少しずつ景色は変わっていく。

一点だけ、強く伝えたいことがある。熱くなりすぎると、視野が狭くなる。ニュースで何度も目にしてきたが、情熱が裏目に出て詐欺にはまっていく人は、本当に多い
投資を始める前に、必ず一度、AIに聞いて立ち止まってほしい

「この○○○投資は大丈夫ですか」と。

試しに、私が実際に騙された「年利24%の案件」AIに聞いてみたところ、即座に「非常に危険です、お勧めしません」という回答が返ってきた。あの時、AIがあれば……(泣)

夫婦で資産形成することの、本当の意味

数字の話をすれば、効果は明快だ。

  • iDeCoの掛け金が二人分になり、節税効果が倍以上になる
  • 新NISAの非課税枠も、二人分フルに使える
  • 二人で取り組めば、節約も楽しくなる

でも、一番大きいのはそこじゃないと思っている。

「同じ方向を向いて歩けること」——これが、何よりの力だ。

悲観的なパートナーを抱えながら、一人で投資を続けるのは、数字の問題以上に、精神的に消耗する。インフレが加速するこの時代に、夫婦で力を合わせて「稼ぐ・貯める・守る・増やす・使う」という力を育てていくことは、最も現実的で、最も強い戦略だと思っている。

数字より大切なもの

普段、投資の細かい話にはあまり口を出さない妻だが、15年以上続けていた貯蓄型保険の解約を提案したときだけは、難色を示した。「ずっと払ってきたのに」という感覚——これは、多くの人が持つ、ごく自然な反応だと思う。

妻は数字が得意ではないので、今もNISAやiDeCoの仕組みを完全には理解していないと思う。おそらく、これも多くの家庭で同じではないだろうか。仕組みを全部わかっていなくても、信頼関係があれば、人は動いてくれる。それが夫婦というものだと思っている。

iDeCoの還付金が口座に振り込まれたとき、妻が「あ、これ投資のやつだよね」と初めてぽつりと言った。小さな瞬間だったが、じわっと嬉しかった。

還付金は、投資には回さない。お互いに好きなものを買う。
老後のためだけに今を我慢するより、今も一緒に楽しみながら続ける方が、長く走り続けられる力になると思っているからだ。

まとめ

投資は、一人でやるより、パートナーと一緒に向き合う方が、間違いなくいい。精神的にも、非課税枠・節税効果の面からも、それは数字が証明している。

ただ、最初から完璧な理解を求めなくていい。まず自分が学んで、少しずつ伝えて、小さな金額で一緒に経験を積む。その積み重ねが、夫婦の資産形成を本物にしていく。

そして最後に、一番大切なことを。

「お金の話を、家族と正直にできることが、最大の資産だと思っている。」